会員の参加と交流で学会活動のさらなる充実を

理事長 礒崎初仁(中央大学、元神奈川県職員)

 7月8日開催の理事会において、稲継裕昭・前理事長が退任を表明され、私がその任を引き継ぐこととなりました。前理事長のリーダーシップの下で築かれた学会の基盤を継承し、さらに発展させるため、微力ながら全力を尽くしたいと存じます。

 稲継前理事長には、学会設立の準備から学会発足後の3年あまり、大変なご尽力をいただき、当学会は200名以上の会員を擁する特色ある学会に成長することができました。そのご貢献に心から感謝申し上げるとともに、引き続き理事として学会運営にご指導を賜りますようお願い申し上げます。

 地方行政実務学会は、「地方行政の実務経験を有する研究者と自治体職員等が研究交流を行う」とともに、「実務その他の課題について個人、自治体及び研究機関の連携を推進」し、もって「地方行政の充実と発展に資すること」を目的として(規約第2条)、2020年3月に発足いたしました。その後も、少子化・人口減少の進展やデジタル化の推進等によって、自治体行政は様々な課題を抱えるようになっており、当学会の役割はますます大きくなっています。

 当学会のさらなる充実・発展のためには、次のような取り組みを進める必要があると思います。

 第1に、会員相互の交流を広げることです。当学会は、コロナ感染第1波の最中に船出をしたことから、研究会や懇親会の対面での開催が制約されてきました。その中でも関係者のご努力によって充実した学会活動を展開してきましたが、会員同士が対面で会い、人間関係を深めることは難しい状況でした。コロナ禍もひと段落し、今後は対面で会える機会を増やし、交流と親睦を深めたいものだと思います。

 第2に、より多くの会員が積極的に学会活動に参加することです。当学会は、年2回の研究会開催と機関誌発行など活発な活動を展開していますが、研究報告者等にやや固定化の傾向がみられるほか、限られたメンバーで各種の事業を運営しているのも現実です。学会は、会員相互の参加と協力で成り立つものです。今後は様々な会員にお声をかけ、また参加しやすい工夫をしたいと思いますので、多くの会員が研究発表や学会運営にご参画いただくようお願いいたします。

 当学会のさらなる発展をめざして、理事・監事の皆様のお力をいただきながら、私も精一杯の努力をしたいと存じます。会員の皆様のご参画とご協力を心からお願い申し上げます。

*いそざき・はつひと。中央大学法学部教授、同大学院法学研究科教授。専門は地方自治論・行政学・政策法務論。愛媛県出身。1985年神奈川県入庁、2002年退職後に現職。主な著作に『知事と権力』(東信堂、2017年)、『自治体政策法務講義(改訂版)』(第一法規出版、2018年)、『新版 ホーンブック地方自治』(共著、北樹出版、2020年)、『立法分権のすすめ』(ぎょうせい、2021年)、『地方分権と条例』(第一法規出版、2023年)。